こんな疑問やお悩みはありませんか?
はてな
・申込と手続きの必要書類は?
・ 初期費用って何がかかるの?
自分も大学生になる前の部屋探しでは疑問がたくさんあったので記事を書いてみました。
この記事の内容
・大学生の入居審査
・契約手続きと初期費用支払いの流れ
この記事を書いた人
そこでこの記事では不動産営業マンが大学生の賃貸物件申込の一連の流れを解説します!
この記事を読むメリット
私が不動産業界に従事するなかで得たノウハウや経験を凝縮しました。
納得のいく賃貸物件で大学生生活を満喫したい人は最後まで読んでもらえると嬉しいです。
賃貸物件の申込をする
気に入った物件があったら、早速申込をします。
賃貸物件は「早い者勝ち」「先着順」なので、スピードを大切にしてください。
「この物件良いな」はみんなが思うことです。
お客さんとしても「テキパキ」した検討と申込が重要です。
名義は2パターン
大学生の賃貸物件では2通りの申込があります。
稀に祖父母、叔父叔母名義を希望される方もいますが、可能かどうか事前に不動産会社に確認することをおすすめします。
大学生本人名義
民法の改正で18歳でも賃貸物件の申込が可能となったので、学生本人名義で契約する場合です。
連帯保証人:ご両親どちらか(勤めてる人が理想)
*連帯保証人に代わり保証会社の場合あり
緊急連絡先:ご両親のどちらかか親族(契約者以外)
これまでも親権者の同意のもと、契約行為も可能だったので、学生本人名義のケースは多々ありましたが、これからどんどん増えていくと予想できます。
保護者名義
保護者名義で契約、入居者は学生という場合です。
*賃貸保証会社の利用または連帯保証人の設定、もしくその両方の場合あり
緊急連絡先:ご両親のどちらかか親族(契約者以外)
入居者:学生本人
保証会社を使わない方法
賃貸保証会社とは、入居者の家賃を大家さんに保証する会社のことです。
「連帯保証人の代わり」と考えてもらえば分かりやすいです。
細かく解説すると本記事の内容から逸れてしまうので割愛しますが、あまり契約者、入居者にメリットはありません。むしろ保証会社利用分の費用がかかります。
「この物件の入居条件は保証会社利用必須」とあれば、交渉でどうにかならないケースが多いので、諦めた方が楽です。
不動産会社とバチバチ交渉しても大丈夫な方は、「費用のかかる保証会社利用」ではなく、「連帯保証人でどうにかならないか」確認することも方法の1つです。
申込名義人で悩まなくて良い
名義に関しては物件や管理会社で様々なので、学生本人、親権者のいずれでも申込が問題なければ、いざ申込をするときに不動産会社に確認すれば良いだけです。
申込方法は紙かオンライン
従来の紙の申込書もまだまだ現役ですし、最近はスマホやパソコンをつかったオンライン申し込みもあります。
どちらの方法でも不動産会社の人が説明してくれるはずなので、心配不要です。
紙の申込書
A4、A3の申込書が多いです。
ペンがあれば申し込めるので簡単ですが、その場にいないとできないのがマイナスポイントです。
スマホやパソコンをつかったオンライン申込
申込に必要な情報をスマホやパソコンで入力する方法です。
学生本人だけで現地見学して、同行していない親権者名義が必要な場合でも、離れた場所から申込できるので便利です。
その場で申し込みをせず、持ち帰ってから「やっぱり申込む」ときにも使えます。
使用しているシステムの性能差が激しいので、場合によっては相当な時間がかかる場合もあります。
必要書類
名義によって必要書類が変わるので悩みどころですが、だれが名義でも大丈夫なようにリストを作りました。
学生本人の必要書類
・印鑑(実印、銀行届出印など)
・住民票(妙本)
両親(連帯保証人)の必要書類
・身分証明書(免許証、保険証、パスポートなど)
・収入証明書(源泉徴収票、給料明細など)
・印鑑(実印)
・印鑑登録証明書
「印鑑(実印)と印鑑登録証明書」については申込時不要のケースもありますが、契約手続きで必要となるケースが多いです。
契約手続きまで3か月以内であれば利用できる場合が多いので事前に取得しておいて問題ありません。
役所に行く必要があるのは「印鑑登録証明書」ぐらいです。
最近ほとんど必要ないので記載しませんが、住民票が契約手続きに必要なケースがあるので、その時は二度手間になります。
必要情報
一般的には申込用紙に個人情報などの必要情報を記入します。
申込み時の頻出項目
名前
生年月日
住所
進学する大学名
保護者情報
名前
生年月日
住所
勤務先
緊急連絡先…
申込をする部屋や不動産会社で様々ですが、身の回りの情報は一通り確認しておきましょう。
初期費用
項目 | ||
---|---|---|
敷金 | 家賃0.5~1ヶ月分 | あらかじめ預けておくお金で、退去時にお部屋の修繕や原状回復などに使用される。 退去時に費用を精算して、残金があれば返金される。 |
礼金 | 家賃0.5~1ヶ月分 | お部屋を貸してくれる大家さんへのお礼の意味を込めた費用。 敷金とは違い退去時に返金されない。 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 | 入居開始する月の翌月分の家賃。 事前に前家賃を支払えば、入居した月は翌月分の家賃を請求されない。 |
日割り家賃 | 入居日によって変動 | 入居開始日から月末までの家賃を日割り計算した費用。 不動産屋によって計算方法が異なる。 月ごとの日数に合わせて計算する「実日数割」 月の日数に関係なく30日で計算する「30日割」など |
鍵交換費用 | 15,000~20,000円+税 | 前の入居者が利用していた鍵を、新しい入居者が利用する鍵に交換するための費用。 ほとんどの物件はセキュリティの関係から交換必須。 |
火災保険料 | 15,000~20,000円/2年 | 火事や台風、雷など自然災害で建物・家具に損害を受けた場合に補償してくれる保険の利用料金。 指定された保険会社に加入することが多い。1年契約、2年契約があるが中途解約返戻金がある。 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分+税 | 借り主と大家さんの仲介をしてくれた不動産屋に支払う手数料。 宅地建物取引法で「上限は家賃1ヶ月+税」と決まっていて、それ以上請求されることはない。 |
保証会社手数料 | 家賃と管理費の合計 50~100% | 連帯保証人の代わりの役割を果たしてくれる会社を利用するための費用。 大家さんに対して、家賃や債務の代位弁済(立替払い)してくれる。 |
申込金が必要な場合がある
申込金、預り金は成約時は契約金に充当されるので、それ自体は損得がありません。
注意が必要なのではキャンセルをするときの取り扱いです。原則、申込金、預り金は申込みの意向確認というだけなので、返金されるべきお金です。
仲介業務では、不動産会社が申込金などの預かり金の返還を拒否することは、宅地建物取引業法で禁止されています。
引用:ハトマークサイト
「入居日当日にキャンセルも良いのか」と考える方もいると思いますが、公序良俗に反する行為なので一概に判断できませんしおすすめしません。
ちなみにまるモは新築物件などを除き、申込金、預り金を支払ってもらったことはほとんどありません。
そもそもキャンセルで返金するぐらいなら預からなければいいですし、キャンセルが出ない接客が大切だと常々思っております。
手付金が発生する会社は避ける
申込みの時点で手付金が発生する会社はやめましょう。
手付金とは売買契約が結ばれた際に相手方の債務不履行の有無を問わず解約権を認める目的の為、あるいは相手方に債務不履行があった場合には損害賠償もしくは違約金として買主から売主に対して支払われる金銭です。
引用:公益社団法人 不動産保証協会
まず売買契約を除き、一般的に賃貸借契約で「手付金」を要求されることはありません。
もしあったらその会社はやめましょう。
キャンセル時は返金しないというトラブルが予想されます。
入居日を決める
重要なポイントをご説明します。「入居日をいつにするか」です。
すでに空室物件であれば希望通りの日程で入居できます。
しかし、まだ現入居者が退去していない場合は、メンテナンスの都合上、希望の日程で入居できない場合があります。
遅い場合だと入学式の前日や入学式を過ぎてしまうケースなどもありますので、事前にしっかり入居する引越し日程を考えておいてください。
入居審査
大学生の入居審査はほぼ形式上するだけなので厳しくありません。
大学生の入居審査
大学生が名義または入居者の審査で落ちることはほとんどありません。
筆者の経験上、1,000件に1件あるかないかだと思います。
(*その1件の審査NGだったお客様は他の物件でご成約となりました)
どこにも住めないなんてことは起こりませんので安心してください。
もし審査に落ちたら縁がなかったときっぱり別の物件にしましょう。
100%ではありませんが、大学生が住む賃貸の審査は心配ありません。
必要書類、必要事項をしっかり揃えることができれば大丈夫です。
入居の審査の期間と本人確認の電話
早ければ当日中、遅くても1週間程度です。
「何を審査するか」は細かい内容なので難しいですが、「入居して問題ない人」であれば直ぐに審査結果がでます。
申込の際に不足情報や不足書類が出てくると時間が余計にかかるので注意してください。
本人確認の電話が名義人宛てにかかってくることがあります。
出られないと審査が進みません。
時期によっては入居できるかどうかで家具家電の手配もあるので重要です。
家主や不動産会社、保証会社の都合で遅くなることもありますので、心配な方は不動産会社に電話して確認をおすすめします。
契約手続き
入居申し込みと審査がクリアできれば、次は契約手続きです。
必要書類
必要書類は不動産会社で説明してもらえるので心配不要ですが、頻出のものをリストにしておきます。
契約手続きの必要書類は色々なパターンがあるので、不動産会社に確認が1番です。
項目 | |
---|---|
契約金 | 賃貸契約終了時。振り込みか現金持参か不動産会社により異なります |
身分証(契約者) | 運転免許証・保険証・パスポート・住基カードなどの写し |
身分証(入居者) | 運転免許証・保険証・パスポート・住基カードなどの写し |
学生証 | 在学生の場合 |
合格通知証 | 新入学生の場合 |
印鑑(契約者) | シャチハタ以外のもの |
印鑑(実印) | 連帯保証人のもの |
印鑑証明書 | 連帯保証人のもの |
口座番号が分かるもの | 通帳やキャッシュカード(家賃引き落とし口座) 契約者名義限定の場合があるので注意 |
銀行印 | 上記口座の銀行印 |
住民票 | 入居者分(最近は提出不要の不動産会社も多くなってきました) |
収入証明書(契約者) | 不動産会社によっては給与明細書3ヵ月分か源泉徴収票の写しが必要 |
※入居者の写真 | 求められる不動産会社は少ないですが必要となる可能性があります |
手続き方法は2パターン
来店手続きとオンライン手続きの2パターンがあります。
来店手続き
必要書類を持って来店手続きとなります。
一般的な方法です。
オンライン&郵送手続き
スマホやPCを使ってリモートで重要事項を受けます。契約書類などについては郵送してもらう流れです。
全部郵送で完結すると良いのですが、「重要事項」の説明について顔を合わせて説明を受けないといけない決まりなので、ここが手間がかかるところです。
署名捺印が必要な契約手続きは次の3つが基本です。
重要事項説明書
物件を契約するにあたって重要な点を対面で説明してもらえます。
前述の通り顔を合わせての説明が必要となります。
ただ売買物件と違って重要事項よりも、トラブルに発展するのは洗濯機置き場のサイズ、カーテンサイズ、部屋の寸法…などなど実用的なものばかりです。
不動産屋さんも重要事項でトラブルは怖いので、もし他の物件と違って特筆すべき事項があれば強調して確認してもらえると思います。
大切な確認すべき点は「生命に危険を及ぼすかもしれない部分」です。
ハザードマップに該当するなど「知っていれば契約しなかった」という部分に注意してください。
大学生がたくさん住んでいる物件はこの辺を先輩達がクリアしているはずなので、優先的に検討したいところです。
建物賃貸借契約書
これが一般的に言う契約書です。
実は重要事項は説明必須なのですが、契約書については説明義務がありません。
宅地建物取引士の記名、捺印のみが宅建業法上の決まりです。
つまり、重要事項に該当しないにも関わらず、契約書のみに記載があるということは基本的にないのでというスタンスです。
だいたいA3サイズで両面なので、たくさん書いてあるので、細かく全部読むと大変です。
一般的な不動産屋さんの契約書であれば、宅建業者の協会のものを引用しているものがほとんどなので、それほど不安に思わなくても大丈夫です。
説明を聞いていて疑問に思ったら直ぐに質問してください。
ここで質問を遠慮してしまうと、大変な失敗になることも多々あります。
借家人賠償保険(火災保険)
火災、盗難、水漏れなどの一般的な住まいのトラブルに関する保険です。
不動産屋さんが保険の代理店をしていることがほとんどなので、手続きと一緒に案内があると思います。
基本的に不動産屋さんで保険内容を確認しているので、推奨のものに加入したほうが良いと思います。
最近は大学で生協が勧めている「1人暮らし特約」付の保険がリーズナブルに加入できるようなので、そちらも検討できます。
ただ一般的に賃貸物件というのは、入居条件として家主または管理会社指定の火災保険加入となることが多いので、自分で選べないことも多いです。
特に有事の際の保険金請求などは、親元を離れた学生には難しい場合もあるので、その点、代理店をしている不動産屋さんで加入をして、事故の際も対応してもらったほうがスムーズな場合も多いです。
その他の付帯契約について
不動産業界の特徴として、賃貸契約に付帯して様々なオプション契約を推奨してくる場合があります。
ウォーターサーバーや消火器、引越し業者の紹介などなど、たくさんありますが、基本的に必要が無いものだったり、普通に自分で購入、契約する値段よりも高いとあります。
不要と思えるものは毅然とした態度でNOと言えるように頑張ってください。
契約金の支払い
初期費用で案内された金額を指示された金融機関に振り込みます。
現金持ち込みは最近あまりありません。
契約金も項目が細かく分かれているので注意が必要です。
ポイント
初回家賃支払い時に合算となるもの
別途コンビニで払うもの
支払い漏れがないように注意してください。
入居までにすることはたくさん
入居までにやることは「契約手続き以外」が多くて大変です。
抜けてしまうと結構大変なものもありますので確認していきます。
・ライフラインの連絡
・家具家電の準備
・インターネット回線の手続き
・時期や場所によっては引越業者の手配
本当にたくさんあるので別記事にまとめてあります。
申込・契約手続きから入居までの流れ
申込・契約手続きから入居までの流れを簡単にまとめておきます。
step.2 寸法を測る
【賃貸物件探し】部屋の採寸すべき場所と道具|事前準備とリストアップseries#6
続きを見る
step.3 契約手続きと引越準備
【大学生一人暮らしで入居前にやること】引越し準備に必要なものリストとポイントseries#7
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step.4 入居日当日
【大学生一人暮らし】入居日にやることと注意点|引越しのコツseries#8
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step.番外編2 解約
賃貸物件の退去・解約!大学生のお部屋のポイント(新入生編) series#12
いつからどうやってお部屋探しをスタートして内見するか
いつからどうやってお部屋探しをスタートして内見するかをまとめました。時期や方法についてはお悩みが多いところです。
step.1 お部屋探しはいつから?
【大学生の部屋探し】いつからスタートがおすすめ?優良物件が多い時期を不動産営業マンが解説|series#1
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step.2 お部屋探しはどうやって始める?
【大学生の部屋探し方法】大学生協と不動産屋はどっちがおすすめ?不動産営業マンが解説|series 2
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step.3 お部屋探しの条件
【大学生の一人暮らし】失敗しない部屋探しの条件設定ポイントseries#3
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step.4 お部屋の内見(見学)
【大学生の部屋探し】内見で確認するポイント|不動産営業マンが解説series#4
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まとめ
本記事の内容をまとめます。
本記事の内容
・必要書類や情報についてはとりあえず最低限あれば大丈夫
・大学生の入居審査は厳しくない
・案内される契約手続きと初期費用についてしっかり対応する
賃貸物件の申込・契約手続きはやることが多いので、前もって確認・準備すると効率的に完了することができます。
家具家電の購入の前に読んでおきたい記事を準備しました。